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2015年 01月 19日

ボーディングスクール受験:3校のRevisitを終えて 2014−4−11

(昨年、娘がボーディングスクールを受験した際書いていた未公開の過去記事です。末尾のTag#ボーディングスクールを押していただくと受験に関する公開済みの記事がまとめて見られます。)

3校は全く異なる特色を持った学校でした。見学日という短い時間ですが、親が気がついた点を記録しました。

見学日のプログラム、合格者に対する学校の対応ついて。

1校目は私達が知りたいことが簡単に詳しく分かるようになっていました。とても忙しい1日でしたが、どのスケジュールも充実していて、判断材料が明確に提示されていました。3校の中で一番ありのままの生徒の日常が観察出来た様な気がします。長年の経験の積み重ねなのでしょうが、これからも色々な事に対して、学校側からの細かい配慮が期待出来るような、また裏表がない誠実さまで感じました。大きな学校なのにきめ細やかな対応をしてくれている、(少なくともそういう印象を親に抱かせる)というのは有り難いと思いました。個別のアプローチがあった訳ではないのですが、なんだかゾーンディフェンスで対応してくれているようで抜け目のない安心感がありました。見学プログラムでは全て正直に見せることが出来るという、学校のスタンダードの高さに対する自信も伺えました。

2校目は1校目に較べると凡庸な感じさえ受けてしまいました。2校目だけに行ったとしたら、較べることもないのでそうは思わなかったと思います。こちらでは一般的な理解しかすすまず、個別の知りたいことに対してはその場で解決できる場面が少なかったように思えます。けれど感心したのは、質問がしやすいように見学日にアドミッションオフィスの方達がとても目立つ様にいらっしゃいます。面接を担当したオフィサーからその家族に対してさりげないフォローが一日中続きました。こちらはマンツーマンディフェンスという感じで、とても親しみを感じやすかったです。プログラムも時間がゆったり取ってあって、飽きてしまった時間もあったほどですが、枠組みはしっかりしていて、その中では非常に自由度が高いという校風に通じるところがある、と妙に納得してしまいました。他校を意識したような発言、場面が多く感じられたのも、生徒が1校目に較べると平均化していなくて、独立心も高いため、ややもすると保護者に間違った印象をあたえかねないとの危惧があるためかもしれません。

3校目は2日間だったので詳しく見せていただけました。そしてあの学校の魅力を最大限に見せる為には必要な時間だったと思います。歴史と風格のあるキャンパスに2日間家族で酔いしれたことは間違いありません。一様に豪華な施設が品の良い会話にあふれ、まるでアメリカから突如ヨーロッパの裕福なご家庭に招かれた様な気がしました。この学校独自のユニークな校長先生宅での親密な時間、チャペルでのお祈りの時間や数々の生徒のパフォーマンスと在校生の親のボランティア精神。どれをとっても最初の2校とは教育方針が違うことが良くわかりました。ただ学習内容などを詳しく聞く機会はあまりなく、ベテランの先生方におまかせしておけば間違いないというような雰囲気がただよっていました。人数が少ないので合格者への対応もとてもきめ細やかなものではありましたが、やはり縁故入学がとても多いためか、まったくつながりのない私達には遠慮が感じられる場面が多々ありました。

学校の施設について

最初の2校はどこからどこまでが敷地かわからないような広大なものでした。慣れないと迷ってしまいます。寮も1カ所に固まらず、点在しています。高校生ですが、日本で言えば大学生ぐらいの自立心、自己管理能力が求められるはずです。さすがに人数が多いこともあり、各教科教室、スポーツ施設、食堂、図書館、どれをとっても大学の様な充実した設備です。色々なことに挑戦が出来そうでもあり、好奇心旺盛な体力のある高校生にはたまらなく魅力的に思えるでしょう。親としてはそこまで高校生の年代に必要か?落ち着かないのでは?と一抹の不安はあります。飲食店もある小さな街が隣接していて、そこで外食をすることも珍しくない様です。

3校目は敷地は全て塀に囲まれ、近寄り難い雰囲気がするほどプライベートな空間です。学校の周りには徒歩圏内に商店はありません。学校の建物はわかりやすく配置されていて、すぐ隣り合っています。教室は全て中央の建物に集中していて、寒い冬も最初の2校より断然過ごしやすそうに感じました。最初の2校と較べると見劣りはしますが、少人数としては各種設備も驚く程立派なものです。高校生には充分すぎるほどに感じました。どこをとっても家庭的な雰囲気にあふれる学校ですが、特に母親にとって安心なのは程よく管理が行き届いた寮と一体感のある食堂です。

たとえは悪いですが放し飼いにするか、柵の中で育てるかぐらい違う様に感じました。

1校目はちょうど食堂を改築中、音楽科の建物も近いうちに増築予定がある、など次から次へと施設のより良い充実が図られているようで、その青写真がいたるところに宣伝されていました。すでにある施設も新しい施設が多く、それを裏付けているように感じました。

2校目は私達が聞きそびれただけかもしれませんが、そのような話は聞きませんでしたし、目立つところに宣伝されていませんでした。もうすでに立派すぎる設備があるので(特に最近改築されたという最新設備の食堂など)今のところ必要ないのかもしれません。

3校目は新しいサイエンスセンターを建設中でした。教室はほとんど中央の建物の中にあり、授業を受けている間は外に出る必要がありません。サイエンスセンターもその建物から直接アクセスできるそうです。

生徒の雰囲気

1校目は一番落ち着いていました。話をする時も相手の顔を見て、とてもマナーが良く、質問には的確に答え、臨機応変、機転が利く生徒が多い印象を受けました。パネルディスカッションや授業、また見学日前にも同窓会に呼んでいただいて、在校生を観察するチャンスが沢山ありました。どの生徒も一様にそれなりに高いコミュニケーション能力を持っていたのには驚きました。服装規定があるため男子生徒はとても礼儀正しく清潔感があります。女子はそれほど厳しくないようでしたが、それでも学生らしい色も形もシンプルな装いを多く見かけました。印象としては、秀才タイプ、努力家、真面目、神経質、マルチプレーヤー。

2校目は一番個性が豊かでした。在校生に知り合いがいたため、他の在校生ともお話したりしましたが、とにかく個性的なのでお話が面白い。パネルディスカッションでもあまりしゃべらない生徒がいるかと思えば、会場を和ませる生徒、湧かす生徒など、まるで役割分担があるかのようです。個性は服装にも表れていました。男女共に都会的なあか抜けた装いの生徒も多く、ファッションセンスは一番あると思いました。入学したらセンスも磨かれることでしょう。(=時間とお金も間違いなくそちらに、、、)天才肌、明るい、自由奔放、個性を大事にする、マイペース。

3校目は一番男女ともにあどけなくて可愛らしかった。素直でお行儀の良い、柔らかいイメージの生徒が多く、生徒を観察していると、学校がとても居心地が良いようです。パネルディスカッションなどでも1、2校目と較べると、話し方にも迫力はありません。でも和気藹々。規定もなく、また服装にはこだわらない生徒が多いのか、スポーツウェアを一番良く見かけた学校でした。それでも時々品良く乗馬服を着こなしている女子生徒がいたり、見るからに仕立ての良いシャツに磨き立ての靴を履いた背筋の伸びた男子生徒がいたり、ハッと驚かされるのが多かったのもこの学校でした。天然、育ちが良い、サラブレッド(産まれた時から優秀)、優しい、おおらか。


この生徒達から受けたイメージはそのまま、先生方、学校にいた保護者達にもそれなりに当てはまるような気がしました。

食事

1校目  私達も少しショックだったぐらい、質素なものでした。

2校目  バラエティに富んでいて、とても美味しかったです。でも1、2品は見学日の特別メニューだった可能性はあるようなことをちらっと聞きました。朝食に出されていたものもそれなりに良かったのでスタンダードは1校目より高いはずだと思いました。

3校目 とにかく出されたもの全て美味しく、高級でした。食堂の食事も機械的でなく、手作りの温もりが感じられるものでした。10時と3時にはクッキーと果物がでて、寝る前にもクッキーがあるのだとか。それも手作りの美味しいクッキーなので新入生は例外なく5キロは太るのだそうです。



学校でバイオリンを続ける可能性について

1校目 音楽院に通うのは、通学生、もしくは保護者が近くに住むよほど親しいお友達が同じ様にバイオリンを習っていない限り無理なので、不可能と思っています。学校の音楽科の建物はとても新しく明るく、寮や教室からも比較的アクセスが良いので使いやすいでしょう。練習室なども沢山あり、最新設備。学校でプライベートレッスンが受けられ、著名なバイオリンの先生もリストにあるので、その先生が教えてくださることになればそれなりに上達も見込めそうです。学校にオーケストラもあり、楽器の勉強を続けている生徒は多いです。

2校目 音楽院に通っている在校生も何人かいて一緒に通うことも可能かもしれません。音楽院はまさに理想的な環境ですが、温暖なカリフォルニア育ちの娘が友人と一緒とはいえ、徒歩と交通機関で1時間以上かかる場所に毎週通えるか?というのは疑問です。勉強も忙しいのに土曜日が音楽院のために丸一日つぶれてしまいます。学校の音楽科の建物は、古く、教室や食堂からは1校目の倍ぐらいの距離があります。暗い冬は行きにくそうです。プライベートレッスンの先生のリストには著名な方もいらっしゃるので学校でレッスンを受けることも可能かもしれませんが、他の生徒の話を聞くと音楽院に通うことになりそうです。学校にもオーケストラがあり、1校目より規模は大きいです。レベルも少し高い。

3校目 1校目と同じく音楽院への通学は不可能だと思っておいたほうが賢明だと思いますが、音楽科主任の先生は不可能ではないとおっしゃっていました。学校の音楽科は同じ建物内で授業の空き時間に練習もしやすそうです。プライベートレッスンをとることも出来ますが、良い先生がいらっしゃるかどうかが問題。他に楽器を勉強している生徒は少なく、オーケストラは年によって組めない時もあるそうです。室内楽でなんとか組める程度。

今日もご訪問ありがとうございます。こちらの事情をよくご存知の方には学校名なども分かるとは思いますが、あえて記しておりません。どうかご了承下さい。

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by flouribunda | 2015-01-19 00:10 | | Trackback | Comments(8)
Commented at 2015-01-19 00:36 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by gg at 2015-01-19 00:49 x
詳しく比較されてますね。気づいた点をすこし。
日本の高校選びの場合だと、ご存知の通り大学入試至上主義で、どの大学学部に何名合格、そしてそのための受験対策に比較のほぼすべてが集中すると思います。
そのような話は一切でなかったのでしょうか?(あるいはプライバシー上その情報はあえて省いてらっしゃる、あるいはほぼアイビー全入が保障されている?)
もしそうだとすると大学名などにとらわれない全人的な教育を目指しているということでアメリカらしいと思います。
バイオリンレッスンは交通手段がないため、なかなか難しいようですね。もしここまでされるんだったら、安全最優先で信頼できる運転手を用意してあげることも検討されているでしょうか?大学に入れば自分で免許を取るでしょうし、今まで頑張ってきたバイオリンが疎かになるのはもったいないことです。
Commented by flouribunda at 2015-01-19 01:14
鍵コメさま、

コメントありがとうございます。おつきあいいただいてありがとうございました。次回で最後です。
あらためてRevisitに行って娘も納得して選択できたようです。私たちも意見が一致しました。
Commented by flouribunda at 2015-01-19 01:34
ggさま、

もちろん私立校ですから、アメリカの一般の学校よりも大学進学についてはカウンセラーなど対策がしっかりしていますし、生徒、親の関心も高いと思います。けれど残念ながら?卒業生がいわゆる有名校に多数進学するか?といったら日本の比ではありません。私たちの感覚ではアメリカには日本よりもずっと大学進学の選択肢が多いと思っていますので比較にもならないかと思いますが、たとえば日本で言われるアメリカのブランド校への進学率は年によっては娘が以前通っていた私立校の方が高い年もありました。大学進学のみを考えたら転校するのは不利でした。でも一番人間として成長できるこの大事な時期にどうなるかわからない4年後のことを考えて、今受けられるかもしれない最善の教育をあきらめてしまうのは親としても勿体無いと思いました。大学進学が気にならないといえば嘘になりますが、今は転校して娘にとってとても良かったと心から満足しています。
Commented by clover at 2015-01-19 03:36 x
ご無沙汰してしまいました^^。どうぞ今年もよろしくお願いします。
3校とても興味深く拝見しました。本当に3校とも素晴らしくて!充実した高校生活となりますね。
息子も11年生から州立の選抜の寄宿高校という選択もあるのですが、そこはアイビーや有名校などの進学率も高く、授業なども選択も多く充実していて、毎年息子の高校からも何人か行き評判もいいのですが、、、(息子がよほど強く言わない限り?)親としてはあんまり考えていなくて。。何がいいか迷うところです。
Commented by raypianoviolin at 2015-01-19 06:14
こうして比較すると、それぞれの学校の特徴がしっかりと分かって、やはり幾つも受ける意義が大きいな、と思いますね。最終的な判断も自信を持ってできるし。やはり、初めにお父様が、やるだけの事はやるべき!と言っていたのが、今になりよ~く分かります。すごーく勉強になります!^^
Commented by flouribunda at 2015-01-19 09:47
クローバーさん、

こちらこそ今年もどうぞよろしくお願いいたします。
娘の意思が固かったので私たちの場合は楽だったかもしれません。やはりどういう道に進むにせよ、もう自分で選んでもらわないと親が選ぶわけにいかないですよね。
Commented by flouribunda at 2015-01-19 09:49
レイママさん、

見てみるものだなあと思った。やっぱりどんな可能性があるかわからないものね。聞くと見るとでは大違い。しかしアメリカは個性があるね。


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