ローズ家の台所

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2015年 01月 15日

ボーディングスクール受験:Revisit Day 3校目 2014−4−10

(昨年、娘がボーディングスクールを受験した際書いていた未公開の過去記事です。末尾のTag#ボーディングスクールを押していただくと受験に関する公開済みの記事がまとめて見られます。)

3校目は2日間にわたる見学プログラムでした。

まず1日目は夜の7時から始まりました。夕食を簡単に早めに済ませ、学校に到着したのは6時半頃でした。受付で登録を済ませ、名札やスケジュールをもらいました。生徒がお手伝いをしているようでした。プログラムはコンサートホールではじまるとのことで、ロビーで待っていると娘のホストのお嬢さんが探して自己紹介をしてくれました。9年生の白人の、とても可愛らしい生徒さんでした。ロビーには校長先生夫妻、アドミッションオフィサー達が見学の家族に挨拶にまわっておられ、生徒達も沢山集まっていました。

生徒達の様子をなにげなく見ていたのですが、きっとホストになる生徒達が多く、皆8年生か9年生だったため(こちらの学校は人数も少なく8年生と9年生での入学が大半でした。)だと思われますが、服装も雰囲気もどこか幼く、和気あいあいと生徒達同士でじゃれ合っている兄弟のような仲の良さを感じました。

他の見学者のご家族と歓談していると、校長先生ご夫妻がお話に来て下さいました。日本人だとわかると先週日本にいらしていた、とのこと。日本からの生徒も増やしたい、とおっしゃっていました。主人が自己紹介をすると大学関係の共通の知り合いの話になりました。奥様も長く教職につかれているそうです。時折生徒達がご夫妻に気軽に声をかけたり、とても和やかな雰囲気でした。

その場で娘のインタビューを担当したオフィサーの方をお見かけしたのでご挨拶しました。話をして少ししてから思い出した、という感じで、この学校ではインタビューよりもむしろ書類選考に重きを置いていたのかな?という印象を受けました。

時間になりホールに入って行くとギターとベースのジャズ演奏が迎えてくれました。

席に着くと、まず校長先生ご夫妻がステージにあがり、ご挨拶されました。ご夫妻なのでとても家庭的な温かいイメージを受けます。特に親元を離れ寮に住むわけですから保護者にとっては安心感があります。お二人で軽快な口調のやりとり、こちらも思わず笑みがこぼれます。堅苦しさの全くないご挨拶で、保護者よりも子供に向かって語りかけていた感じです。この学校では校長先生だけでなく、奥様も大きな役割を持っていらっしゃるように感じました。「家庭的な環境で生徒を教育する」と聞いていた通りでした。

そして男女混合アカペラグループの合唱。綺麗な歌声でした。

次にアドミッションディレクターのご挨拶でした。この学校でもやはりがっちりとした体格の方でしたが、どことなくコーチというよりも、もっと洗練されたスポーツキャスターの様な雰囲気でした。今年はこの学校でも志願者数がかなり増えて、合格率はとても低かったそうです。そもそも生徒の人数が他の学校に比べ1/3以下、その上8年生から入学させるので9年生の枠はそのまた半分です。歴史がある学校なので縁故入学も多いとされています。私達も娘が合格したのが一番信じられなかった学校でした。ディレクターのご挨拶でも、とにかく生徒枠が少ないため選考にはとても時間をかけて吟味している、ということを強調されていました。確かに応募書類のエッセイも細かく聞かれることが多かったです。「少人数の学校で家庭的な雰囲気を最も大事にしているので、どんなに成績が優秀でも合格は出来ません。心身共に健全な成長をしている、この学校に最もふさわしいと思われる人格を備えている生徒しか受け入れないのです。」「君たちはそうやって厳しい選考に通りました。君たちがどんなに素晴らしいかということをもうすでにこの学校の先生達は良く知っています。応募書類は先生達も皆読むのです。」

次に生徒達が8人ぐら上がってきて、パネルディスカッションが始まりました。全員今年卒業する生徒達で、出身地は色々です。あらかじめアドミッションディレクターが用意していた質問がいくつかあり、生徒達も答えを用意してきているのでよどみない答えでした。総じてベーシックな品の良い格好をしていて、裕福な家庭というのが感じられます。白人の割合が多く感じられました。見学者からの質問を受けた時に、「他の学校と較べてなぜこの学校を選んだか」というのがあり、「この学校にしか受からなかった」、「ウェイトリストされて補欠入学した。」とか正直に答えているのが興味深かったです。人数の少ない学校の場合、合格者を出してもその合格者が複数校合格している確率も高く、本当にどれだけ最終的に入学するかどうかの見極めはさぞ難しいことでしょう。

ホールでの最後のプログラムは4人の男子生徒によるサクソフォンの演奏でした。

どの演奏もプロ並に飛び抜けて、という感じはありませんが、高校生としては立派な微笑ましい演奏で好感が持てました。

娘はホストの生徒さんが迎えに来てくれて、この学校の伝統でもある校長先生のお宅でお茶とクッキーの時間に呼ばれました。私と主人はライブラリーに行き、在学生の保護者の方達や先生方との歓談の時間でした。

ホールから図書館に移動中、3人目のお嬢さんが今年8年生に入学するというお父様がいらっしゃいました。ちょうど在校生の娘さんの寮の前を通った時、「パパ〜」と大きく手をふる可愛らしいお嬢さん。何でも近くにお住まいだそうですが、学校に魅力を感じて3人全員お世話になるとのことでした。

ライブラリーはそれほど大きくはありませんが(あくまで他の2校と較べて、です。このサイズの学校ではとても立派です。)、とても重厚なインテリアで歴史と風格を感じます。お茶とソフトドリンク、クッキーが用意してありました。ちゃんとした陶器のティーカップに高級ブランドのティーバッグ。ソフトドリンク用にもグラス、そしてアメリカでは普通でも珍しい、いかにも美味しそうなクッキー。庶民の感覚で申し訳ないのですが、「こんな余分なところに授業料を使うな。」と怒る保護者はいないのでしょう。そしてそれを裏付けるかのような、在校生の保護者の方達。やはりお母様達のお召し物に目が行ってしまうのですが、寸分隙もない高価なスーツスタイルにサロンから直接いらしたかのようなヘアスタイル。スラッと背の高い美しい白人のお母様達が大半でした。カリフォルニアではかなりのお金持ちでもカジュアルが基本、それほどの品のある上等な着こなしを見るのは稀なので、最初はかなり戸惑ってしまいました。

4人通わせたというお母様がまず声をかけて下さいました。4人も子供がいるとはとても思えない、女優のように綺麗な方でした。その方のお子さんの一人と息子さんが同級生というアジア系のお母様もお話に加わって下さいました。お二人ともそれほど遠くないところにお住まいの様ですが、子供は寮に住んでいるとのことでした。お母様達は「とにかく子供達が皆良い子供達ばかりだ。」というのをしきりにおっしゃっていました。親として一番心配なのは子供の安全で、この学校ではその心配をすることがない。先生達の目がとても行き届いていて、指導がきめ細やか、ということでした。アジア系のお母様の方がざっくばらんな方で「寄宿学校で、どこの誰だかわからない生徒がいたら嫌でしょ?」。ご自身が化学を専攻されていたとかで、学校のサイエンスの授業にもとても満足しているとおっしゃっていました。

ラテン語の先生にもお会いしました。娘はすでに中学校でラテン語の初歩を習っているのですが、8年生の時にこの学校の8年生のラテンクラスの生徒とラテン語で文通をしていた経緯がありました。その話をすると、「じゃあちょうど進度が同じで助かるわ。明日文通相手にも会わせなければ、」とおっしゃって下さいました。

ライブラリーには小さなステージもあり、そこでアジア系の女子生徒が二人デュエットを歌い始めました。中国系アメリカ人と韓国からの留学生だそうです。とても綺麗な声でした。8年生だけれど、高学年の生徒達の多いミュージカルで大役を演じた、とか。もし娘が入学したら、あのお嬢さん達と仲良くなったりするのかしら、、、?と聴き入ってしまいました。

そうこうしているうちに娘が戻ってきました。とても楽しそうな顔をしていました。「クッキーがすごく美味しかった、、、。」

最後にアドミッションディレクターのご挨拶がありました。「今夜は我が校の伝統である校長宅での歓談の時間を、合格した生徒達に経験して欲しく、またこんなに小さな学校ですが、才能や特技を持った生徒達がいて、いつも学校がこのように楽しい音楽に包まれているのを感じていただきたく、こんな夜にお招きしました。明日は朝の7時半から1日中とても忙しいですが、この学校の全てをご覧頂きたいと思います。きっと私達が選んだ貴方方にも気に入ってもらえると信じています。それでは明日の朝、お目にかかりましょう。」

4月とはいえ建物の外に出ると震える様な寒さでしたが、歴史ある重厚な建物の窓からは温かな光が溢れ、華やかな保護者の方達、品の良い幸せそうな生徒達の笑い声が聞こえてきて、しばしため息でした。時代が違えばくるみ割り人形のパーティシーンの様な、、、3人で思わず「こんな世界もあるんだ、、、」。

3人、4人と子供がいるのも珍しくなく、8年生から伝統ある寄宿学校に入れて、子供の教育は全てアウトソーシング。そして子供達の学校を良くする為の時間や金銭的援助の努力は惜しまない。それだけの財力がある、、、と考えただけで気が遠くなってしまいました。

そして翌日、時間どおりに学校に到着すると簡単な朝食のテーブルが用意されていました。朝の7時半に焼きたての一流店のようなペイストリー。周りはかなり辺鄙な場所でもあるので、近くでこのようなペイストリーが調達出来るとは思えません。学校の厨房で焼いている?それだけのものが焼ける料理人を雇っている?飲み物もさすがに今回は紙コップでしたが、ティーバッグは変わらず一流店のもの。生徒達も一緒に飲み食いしているのにもかかわらず。これがこの学校の日常。

プログラムの開始を待っている間、1校目の見学でお見かけしたご夫妻がいらしたのでお話しました。出身はヨーロッパの国、今は北カリフォルニアにお住まいでお嬢さんが新しく10年生になられるそうです。まだどちらの学校にするか決めかねている、とのお話でした。主人が自己紹介をすると、そのお父様は寄宿学校の話はそっちのけで、色々と今まで疑問に思っていた物理のお話を質問なさって、とても教養のある素敵な方でした。その方達とはその日ご一緒する機会が何度かあったのですが、見事にいつもアドミッションオフィサーの方がアテンドしていました。それがあからさまに同じ合格者の私達など眼中にない、といった感じだったので苦笑。「私達は娘の学校が何処であってもいいんですよ。娘が良い教育を受けられる学校であれば、その近くに引っ越ししても構わないのですから。」と何気なくおっしゃっていたご夫妻は普通の方ではなかったようです。

ここで娘はホストの生徒と再会し、一日彼女の受けるクラスに一緒に参加します。

最初はチャペルの時間でした。全員でチャペルに移動。保護者達は生徒が全て着席したあと、後ろの空いている席に座りました。聖書の言葉と賛美歌、黙祷、簡単な先生のお話のあと、生徒のスピーチがありました。中国から留学している今年卒業する男子生徒の身の上話。「中国の田舎の貧農だった祖父だが学問を尊ぶ家庭に育ち、中国まで手を差し伸べてくれたこの学校のおかげで最高の教育を受けられることが出来たことを心から感謝している。」、そして女子生徒のギターの弾き語りがありました。あまり宗教色は濃くなく、朝礼集会のようなものと変わりません。

その後、保護者はあらかじめ渡されたリストからクラスを選んで見学をしました。私はアメリカの歴史のクラスに行きました。円卓を囲んでの授業です。時折先生が黒板で重要な点についてまとめる講義をされますが、討論もなかなか活発なクラスでした。教室の片隅にはおとなしく黒いラブラドール犬が寝ています。生徒はここでも白人が多い印象。一人の女子生徒のピアスに目が止まってしまいました。紛れもなくヴァンクリのスイートアルハンブラ。

主人は数学のクラスに行きました。最初行ったクラスは補習クラスで、途中で他の数学のクラスに移ったところちょうど娘が参加していたクラスだったそうです。その時娘とホストの生徒が取り組んでいた問題は答えが出ない問題だったようで、それを先生に主人が指摘したのだとか。生徒が作った問題だからとの弁明があったようですが、主人には疑問が残った様でした。

クラスが終わったあとは再度お茶が用意されていました。りんごと美味しそうなチョコチップクッキーもありました。生徒達も自由に入ってきてクッキーを頬張っています。これは太りそうだと即座に思ってしまった私でした。

そして保護者向けには教科主任の先生方のパネルディスカッションがありました。いかにもベテランの先生が多い印象を受けました。生徒数が少ないので、全ての生徒のことが把握できて、その進度に応じて対応が出来る、そしてそういう教育を施せる環境で教師でいられることを誇りに思うとおっしゃっていました。パネルディスカッションの行われたホールは大きな窓を背にして、その向こうにはどこまでも続くニューイングランドの森が見渡せるようになっています。一人若かったとても優秀そうな生物の先生は最近着任されたそうですが、学校の環境の良さがこの学校に勤めることを決めた理由だったとおっしゃっていました。

つぎに壇上に上がったのは6人の在校生の保護者達。近くに住む保護者数名に加えて、兄弟が在校生で下の子供も合格したので他州からRevisitに来ていた保護者、わざわざ他州から(このために?)いらした保護者もいました。

近くに住む保護者は、寮住まいの生徒達が連休の時など何人も泊まりにきて、皆兄弟のようなので自分も沢山の子供を持った親の気分を味わえてとても楽しい。小さい学校なのでどうしてもクラブ活動などは限りがあるが、ボランティアをかってでる近くに住む親達が沢山いる。それを使って私の娘などは友達とスキーのクラブを作って、毎週末滑りに行き、競技にも何度も参加した。少人数だからといって出来る事に限りはない。また少人数なのに驚く程の数の親がスポーツイベントの応援には駆けつけるんだ。等々、保護者達の学校への貢献度がとても高いことを強調してらっしゃいました。

あるお母様は、初めて寮に娘を送ってきた日に、別れてからすぐ帰るべきところを、校内を名残惜しくうろついているところを娘に見つかってしまった。別れる時にとても泣いていた娘だったから、「しまった!」と後悔したのも束の間、娘はお友達や先生と楽しそうに笑いながら手を振ってくれた。その時傍らにいた先生の「大丈夫ですよ、ちゃんとお嬢様はお預かりしていますから」とでも言う様な笑顔をみて、自分も心から安心し、家路につくことが出来たと涙ながらに語っておられました。

会場からの質問では「お子さん達はお勉強以外にどの様な活動をされていますか?」という質問に、皆さんよどみなく「〇〇チームに何年いて、〇〇もはじめて、生徒会の〇〇を務め、〇〇新聞の記者を◯年、今年は編集者で、以前から弾いている〇〇の楽器の他に、この学校に入ってからはじめた〇〇と〇〇を弾いていて、オーケストラに所属して、お友達とカルテットも組んでいます。」時にそこにお友達のお母様から横やりが入って「貴女の息子は◯◯もやっているじゃない!」。「ああ、そうでした。◯◯は◯年やっています。」といった具合でした。娘が高校生で寄宿学校に行って同じ質問をされたら、私はこんな風にスラスラ答えられるでしょうか??皆さんお子さん達とのコミュニケーションが上手くいっていて、かつ親と学校との連絡が頻繁に行われている。そうでなければこんな風に皆さんが咄嗟に答えられる質問ではないと思いました。

また「勉強が厳しい事でも有名ですが、休暇中の宿題はどのぐらいですか?」という質問には、「この学校は学期中は本当に良く勉強をさせます。それも細やかに個別に指導していただけるので、皆さんもご存知のとおり成績のスタンダードも高く保たれます。けれど生徒達は嫌々勉強させられているのではなく、自然と学校では勉強する習慣が身につくという感じです。学校できちんと勉強するため、休暇中は宿題を持ち帰ってきません。寄宿学校なので休暇も数週間等まとまってもらえるので、家族で旅行等、親密な時間が過ごせます。メリハリのある生活なので、中学校に通っていた時よりも家族の連帯感が増したように思います。」

午前中の最後は寮の見学でした。私達は9年生女子の寮を見せてもらいました。9年生は全員同じ寮で、同じ階に自宅通学の子供達の休憩、荷物置き部屋(3人一部屋)もあり、寮の行事にも参加しやすいようになっています。寮生の部屋は2人一部屋と決まっていて、サイズも家具(ベット、机、引き出し、タンス)も全て同じで統一感があり、明るく清潔でとても好ましいものでした。9年生は消灯時間が決まっていて、インターネットもつながる時間に制限があるそうです。部屋の扉も上下に隙間があり、同じ寮に舎監として住む最上級生の生徒達や先生が注意出来るようになっています。皆が集うリビングも明るく温かく、まさに家庭的な寮でした。案内をしてくれた最上級生達も9年生は自己管理の訓練のために色々と規則があるが、それがかえって良かったと思い出を話してくれました。

そこで出会った他の見学者は4、5組でした。隣り合ったお母様もお嬢さんが他校と較べて迷っているところだ、とのこと。私達も見学したことがあったその学校、「寮の施設はここが一番親として安心出来ますよね。」という意見で一致しました。

その後、カフェテリアに移動しました。天井の高いカフェテリアは光に溢れています。部屋に別れていないので一度に全体を見渡せることが出来て開放感がありました。お食事もとても美味しく、思わず「これが毎日ですか?」と生徒さんに聞いてしまいました。スープの種類(その時は2種類)や品数は減るが、味は変わらない、とのこと。前日の晩にお見かけした先生方もあちらこちらで食事をされていて、どこに誰が座っているかすぐにわかるのは便利かもしれないと思いました。

食事中、観察しているとRevisitで来ている見学者の中には相当在校生の保護者がいたようです。在校生とともにテーブルを囲んでいる家族がとても多かったです。そこを満面の笑顔で「お得意様まわり」を忙しくされているアドミッションディレクター。「新規客候補」の私達のテーブルにもご挨拶にいらっしゃいましたが、むこうも私達が他校との比較中なのは百も承知です。「どの学校も素晴らしい学校です。でもうちの学校が根本的に違った教育をしているのはご覧頂けた通り明らかだと思います。お気に召すと良いのですが、、、。」と表情が硬かった?

昼食後は選択で、課外活動の顧問の先生方や大学進学カウンセラーとお話が出来る時間が設けてありました。

私達はまず音楽科の主任の先生にお話を伺いに行きました。その場にいたのは他に1組のみ、音楽に関心がある生徒はそれほどいないようです。それでも施設は立派でした。ちょうど先生がいらした部屋はさきほど午前中にパネルディスカッションのあった眺めの良い小ホール、そこは録音スタジオにもなっていて最新式の録音設備を見せていただけました。人数が少ないのでなかなかオーケストラのレベルは揃わないけれど、室内楽ならばなんとか、また通うのは大変だけれど街中の音楽院に通うことも不可能ではないし、そうやって音楽を続けて練習した場合、この学校では単位がもらえるとのことでした。練習室なども見せてもらいましたが設備はきちんと整っていて、クラスルームと同じ建物内なので隙間時間に練習もしやすそうです。先生も熱心で、小さい学校だからこそ目が行き届きますと「私が面倒をみます。」と言わんばかり、とても好感が持てました。

大学進学カウンセラーのお話も伺いました。アメリカの私立高校の学費の高さはカウンセラー代だと割り切る人もいるほどです。私立高校における大学カウンセリングオフィスの重要性は高く、どれだけ面倒を見てもらえそうかというのは保護者の関心事の1つでもあります。ティーンエイジャーを相手に百戦錬磨、ベテランカウンセラー主任のお話はさすがに上手でした。この学校では10年生から用意を始めるそうです。行きたい学校のリストを学年が上がるにつれて絞っていくそうですが、「我が校では、大学進学においては運転手は生徒、助手席にカウンセラー、後部座席に行き先を知らされていない保護者です。でもたどりついた時には全員が満足の行く場所にたどりついています。それが今現在の希望とは全く違ったものであっても、です。安心してください。」物は言い様。

そして見学プログラムは終わり、集合場所に行くとホストの生徒と娘がいました。娘も笑顔でした。「今通っている学校にとても似ていて居心地がいい!」と言う娘。確かに校舎に違和感なく馴染んでいました。

最後に全員で校長先生宅に行き簡単なお別れパーティの後、お土産(Tシャツ)がもらえるとのことでしたが、私達は西海岸に戻る飛行機の時間が迫っていたので先に失礼する事をアドミッションの方にお伝えしました。するとオフィサーの方が娘のために走ってTシャツだけ取りに行って下さいました。

この日は午前中は雨でしたが、その頃には晴れ間が広がっていました。空港にも時間通りに到着し、無事その日に自宅に戻る事が出来ました。

今日もご訪問ありがとうございます。こちらの事情をよくご存知の方には学校名なども分かるとは思いますが、あえて記しておりません。どうかご了承下さい。

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by flouribunda | 2015-01-15 00:10 | | Trackback | Comments(4)
Commented by gg at 2015-01-15 01:31 x
今回は今までにない尺の長さ、読むのが大変でしたが、質・量ともにクライマックスに相応しい素晴らしい記事だったと思います。日本語でこれが読めるのはblessingではないでしょうか。
Pasadena在住でセレブなど見慣れており、かつご自身がセレブであるご夫婦が、東部の美人保護者軍団に圧倒されるあたり、映画を見ているようです。
また教授が目ざとく数学の出題ミスを見抜くあたり、いつも通りで微笑ましいものがあります。
ここまできたらどの学校を選ぶかは好みの問題でしょうね。
いずれの学校を選ぶにせよ、寮で生活を共にした交友関係が一生ものの財産になるのが最も重要なことのように思います。
正直、身寄りもない極寒の東部に少女が一人旅立つのは、音楽もやりにくそうだし、如何なものかと思ってましたが、最後の最後に何となく納得したように思います。
長文失礼しました
Commented by flouribunda at 2015-01-15 05:42
ggさま、

ただその時に感じたことを書き残していた、とりとめのない文章にお付き合いくださってありがとうございます。revisitに行くまでは私たちも半信半疑で、本当に娘を寄宿学校に入学させても良いものやら迷いがありました。けれど実際に見て、これは親元にいたのでは決して身につかない知力、体力、精神力を鍛えることが出来るはずと確信しました。

内情をよく知っている娘が私共がセレブなんて聞いたら以前でも不思議な顔をしておりましたが、東海岸の実態を身を以て知る今は大笑いすることでしょう〜。
Commented at 2015-01-16 04:47 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by flouribunda at 2015-01-16 05:54
匿名さま、

おっしゃるとおりです。各校特色があり、これほどまでに違うのかと驚きました。

素晴らしい方でした。移籍されたことで競争率がとても上がったと聞き、さもありなんと思いました。奥様も立派な教育者でいらして、ご夫妻で学校をより盛り上げていかれることと思います。


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